国際刑事裁判所に検察官派遣 「戦争犯罪」捜査支援へ―政府

東京, 4月14日, /AJMEDIA

 政府は13日、国際刑事裁判所(ICC、オランダ・ハーグ)に月内にも検察官3人を派遣する方向で調整に入った。ロシアが侵攻したウクライナでの「戦争犯罪」に関するICC検察官の捜査を支援する。政府は欧米各国と足並みをそろえ、民間人への攻撃などを許さない姿勢を国際社会にアピールしたい考えだ。
 ICC検察官は3月上旬、英独仏など39カ国の付託を受けて捜査を開始。日本もその後、付託に加わった。今回の派遣により、まずはICC側の支援ニーズを把握する。政府は調査結果を踏まえて具体的な協力の方策を検討。今後の本格的な検察官派遣につなげる。
 日本はICC最大の分担金拠出国。松野博一官房長官は13日の記者会見で、分担金を例年より前倒しで先週支払ったことを明らかにした。その上で「さらなる支援として何ができるか、不断に検討を行っていく」と語った。
 岸田文雄首相は8日の会見で、ロシアによる民間人殺害や原子力発電所攻撃の疑いを挙げながら、「断じて許されない戦争犯罪だ。ICC検察官の捜査を後押ししていく」と表明していた。
 ICCは2002年発効の合意で設立された史上初の常設の国際刑事裁判機関。(1)ジェノサイド(集団殺害)犯罪(2)人道に対する犯罪(3)戦争犯罪(4)侵略犯罪―を犯した個人を訴追・処罰する。ロシアとウクライナは締約国ではないが、ウクライナは自国で起こった犯罪に対するICCの裁判権を認めており、捜査が可能だ。
 ただ、非締約国のロシアが容疑者の逮捕、引き渡しに協力するとは考えにくく、処罰は困難との見方が強い。松野長官は13日の会見で、ロシアのプーチン大統領を罪に問えるかと問われ、「特定の個人を念頭に置いて答えることは差し控える。捜査の進展を期待する」と述べるにとどめた。

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