国税指摘で流出計画か 前理事長、「私費」捻出困難に―日大背任事件・東京地検

東京, 10月09日, /AJMEDIA/

 日本大学医学部付属板橋病院(東京都板橋区)の建設工事をめぐる背任事件で、医療法人「錦秀会」(大阪市)前理事長の籔本雅巳容疑者(61)が事件前、国税当局から法人経理に関し指摘を受け、遊興費などの「私費」の捻出に困っていたことが8日、関係者への取材で分かった。

 籔本容疑者は、日大からの資金の流出先だったペーパー会社(港区)から配当として約1億円を受領。大半は私的に使ったとみられており、東京地検特捜部は、国税の指摘が契機となり、日大理事の井ノ口忠男容疑者(64)とともに資金流出を計画した可能性があるとみて調べを進めている。

 籔本容疑者は9月に理事長を辞任するまで、関西の系列病院や介護施設など約30施設の経営を実質的に統括。私生活も派手で、政治家とのゴルフや、高級クラブに頻繁に出入りすることで知られていた。

 関係者によると、国税当局は日大からの資金流出が起きる前、籔本容疑者の関連会社などを調査。その際、個人的な遊興費が法人経費に計上されていたことについて「経費として認められない」と指摘した。その後、籔本容疑者は自由になる金が減り、困っていたという。

 籔本容疑者らは、板橋病院の建て替え工事をめぐり、設計業務を受注した都内の設計会社に2億2000万円を自身が所有するペーパー会社に送金するよう指示。昨年8月に実際に送金させて日大に損害を与えた疑いが持たれている。

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