東京, 2月13日, /AJMEDIA/
台風の接近に伴って発生する竜巻について横浜国立大学などの研究チームは、スーパーコンピューターの「富岳」を活用し、高い精度で予測する技術開発に成功したと発表しました。
去年8月の台風を例にシミュレーションしたところ、2時間ほど前の時点で竜巻の発生を予測できたということで、今後、ほかの事例でも検証を積み重ねるとしています。
竜巻は大気の状態が不安定になると発生し、台風が日本に近づく時にはたびたび被害をもたらしますが、直径が数百メートル程度と台風などと比べて非常に小さく予測が難しいのが実情です。
横浜国立大学と富士通の研究チームは、世界最高クラスの計算能力を持つスーパーコンピューターの「富岳」を使い、竜巻を再現できるおよそ80メートル四方の高い解像度で、4時間先までの予測を短時間で行う技術開発に成功したと発表しました。
去年8月に宮崎県で竜巻が発生して被害が相次いだ台風10号を例にシミュレーションを行ったところ、竜巻が発生するおよそ2時間前に予測ができたということです。
予測結果を立体画像化したものでは、海上に竜巻が発生し次々と陸上に向かう様子が確認できます。
ただ、実際との誤差は、時間が数十分から1時間程度、場所は数キロから10キロ程度あるということで、過去の竜巻の事例をさらに検証したりAI技術を活用したりして精度を向上させたいとしています。
横浜国立大学台風科学技術研究センターの坪木和久 副センター長は「ピンポイントで予測できる見通しは立っていないが、どの地域にどれくらいの危険度があるか出せるようになれば非常に重要な防災情報になると思っている。今回は1つの事例をもとにした結果だが、今後、実験を重ねることでより確信を持った予測につなげていきたい」と話していました。