東京, 7月08日, /AJMEDIA/
マイナンバーを巡る相次ぐトラブルを受け、政府の個人情報保護委員会がデジタル庁への立ち入り検査を検討していることが7日分かった。月内にも実施する。政府や自治体から給付金を受け取るための公金受取口座に他人の情報がひも付けられた事案で、同庁の対応を問題視しており、行政指導も視野に入れる。
マイナ問題、遠のく信頼回復 相次ぐミスで立ち入り検査―総点検、地方から懸念も
公金受取口座の誤登録は6月末までに940件が確認されている。自治体窓口にある共用端末の操作で、前の人がログアウトしないまま次の人が手続きを行ったことが主因。同委は「正確な手順徹底や操作手順に伴うリスク軽減について、デジタル庁はリスク管理と対策ができていなかった」と指摘した。
マイナンバーに関しては、健康保険証を一体化した「マイナ保険証」に別人の情報が登録される誤りや、コンビニで別人の住民票が交付されるなどのトラブルが続出。公金受取口座では、家族名義と思われる本人以外の口座を登録するケースが6月末時点で約14万件に上ることも発覚している。
同委は、サービスを提供した企業や関係団体への行政指導も検討している。
松野博一官房長官は7日の記者会見で、デジタル庁への立ち入り検査について、「一連の事案を重く受け止め、政府一丸となって総点検、再発防止、国民の不安払拭のための対応を推進する」と強調。河野太郎デジタル相は「同委の求めに応じて適切に対応する」と語った。
政府は、個人向けサイト「マイナポータル」で閲覧できる全29項目の個人情報について、秋までに総点検を終える方針。岸田文雄首相は7日の政府・与党連絡会議で、8月上旬に総点検の中間報告と不安払拭のための対策をまとめる意向を改めて示し、「その後も丁寧な対応に努める」と強調した。