東京, 12月8日, /AJMEDIA/
内戦下のシリアでアサド政権への大規模攻勢を仕掛けた反体制派勢力は8日、国営テレビを通じ、「ダマスカスを解放し、政権は崩壊した」と首都制圧を宣言した。アサド大統領が首都ダマスカスを離れたとされ、父ハフェズ氏の時代から半世紀以上続き、2011年からの内戦で一時は軍事的優位を固めたアサド独裁政権は事実上崩壊したとみられる。
シリア政府はアサド氏の動静を伝えず、所在は不明だ。米ニュースサイト「アクシオス」によると、アサド氏を乗せたとみられる軍用機はダマスカスを離陸後に北西方面に向かい、中部ホムス上空で針路を変えた後に高度を下げて消息不明になったという。
シリアのジャラリ首相は動画メッセージで、自身はシリアにいるとした上で「シリア国民に選ばれるいかなる指導部とも協力する用意がある」と表明。反体制派の主力である「シャーム解放機構」(HTS、旧ヌスラ戦線)の指導者ジャウラニ氏は8日、SNSを通じ、公的機関は正式な引き渡しまで首相の管理下に置かれると主張した。
シリアでは11月下旬、北西部イドリブ県に拠点を置いていた反体制派が攻勢を始め、政権支配下に置かれていた北部アレッポ、中部のハマやホムスなどを相次いで制圧。さらに、南部の主要都市も次々と陥落し、アサド政権は南北双方から挟撃され、窮地に立たされていた。