南西諸島、陸自「空白」解消へ 石垣島に初の駐屯地、16日開設

東京, 3月13日, /AJMEDIA/

防衛省は16日、沖縄県・石垣島(石垣市)で陸上自衛隊の初めての拠点となる石垣駐屯地を開設する。台湾や沖縄・尖閣諸島に近く、海洋進出を強める中国を念頭にした防衛力強化の一環。南西諸島は「陸自の空白地域」と言われてきたが、今回の部隊配備で「解消」される。
石垣駐屯地は「12式地対艦誘導弾」などのミサイル部隊を中心に約570人を置く。5日に自衛隊車両などが搬入された。地対艦ミサイルなど弾薬は今月中に運び込まれるが、数量は非公表。
 今後、石垣駐屯地を含む南西諸島の陸自施設に、敵のミサイル拠点などをたたく反撃能力(敵基地攻撃能力)で活用する長射程の国産ミサイルが配備されるとの見方もある。浜田靖一防衛相は3日の記者会見で、石垣島に長射程ミサイルを配備するかを問われると「具体的な配備先は決定していない」と述べ、否定しなかった。
 南西諸島は、九州南端から沖縄本島、台湾北東端に弧状に連なる島々の総称。政府は2013年に閣議決定した「防衛計画の大綱」で南西諸島が「空白地域」になっていると危機感を示し、陸自部隊配備の方針を明記した。
 防衛省幹部は「09年ごろから中国機に対する緊急発進(スクランブル)などが増え、目に見える形で中国の活動が活発化した」と説明。日米は台湾有事への警戒も強める。
 陸自部隊は16年に与那国島(沖縄県与那国町)、19年に奄美大島(鹿児島県奄美市など)と宮古島(沖縄県宮古島市)に相次ぎ配備された。中国艦艇などの動きを監視する沿岸監視隊、有事に備えるミサイル部隊などを設置。防衛省は、台湾に近い石垣駐屯地は「中国へのけん制になる」(幹部)と期待する。
 ただ、自衛隊配備により、地元では「石垣島が戦場になる」など不安の声が根強い。陸自車両などが運ばれた際には、反対派住民が抗議活動を行った。防衛省は22日に石垣島で住民説明会を開催するが、住民の不安解消につながるかは不透明だ。

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