医療法人前理事長に1億円 ペーパー会社から配当―流出金原資か・日大背任事件

東京, 10月08日, /AJMEDIA/

 日本大学医学部付属板橋病院(東京都板橋区)の建設工事をめぐる事件で、背任容疑で逮捕された医療法人「錦秀会」前理事長の籔本雅巳容疑者(61)が、日大からの資金の流出先だったペーパー会社から約1億円の配当を受け取っていたことが7日、関係者への取材で分かった。

 配当の大半は流出金が原資だったとみられる。東京地検特捜部は、流出金の使途についても詳しく調べる方針。

 ペーパー会社は東京都港区にあり、籔本容疑者が全株式を所有。登記上の業務はコンサルタントなどだが、経営実体はなかった。

 関係者によると、日大から流出した2億2000万円は昨年8月上旬、同社の預金口座に入金され、経理上は会社の売り上げとして計上された。その後、約1億円が配当金として同容疑者に支払われた。

 また流出金の一部は、この会社の登記上の代表を務める男性の給与などにも充てられたという。

 籔本容疑者とともに逮捕された日大理事の井ノ口忠男容疑者(64)は、流出金を直接は受け取っていないとみられるが、錦秀会のグループ会社から複数の会社を通じて現金数千万円を受領した疑いがあり、実質的な「分け前」だった可能性がある。

 特捜部は、多額の利益を得るため、両容疑者が協力して資金流出を計画したとみて調べを進めている。

Follow us on social

Facebook Twitter Youtube

Related Posts