再雇用の基本給格差、差し戻し 6割未満違法の二審破棄―「支給目的で検討を」・最高裁初判断

東京, 7月21日, /AJMEDIA/

定年退職後の再雇用で、基本給などの大幅減額は違法として、名古屋自動車学校(名古屋市)の元社員が同社に定年前との差額分の支払いを求めた訴訟の上告審判決が20日、最高裁第1小法廷であった。山口厚裁判長は、定年前の6割を下回るのは違法とした二審名古屋高裁判決を破棄し、審理を差し戻した。
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 最高裁は非正規の待遇格差を巡り、2018年の判決で「賃金項目の趣旨を個別に考慮すべきだ」とする枠組みを示した。基本給についての判断は初めてで、他の企業の賃金体系にも影響を与えそうだ。
 小法廷は、正社員との不合理な労働条件格差を禁じた労働契約法(パートタイム労働法)に違反するかは、「基本給の性質や支給目的を踏まえて検討すべきだ」との初判断を示した。
 その上で、正社員の基本給は勤続年数に応じた勤続給だけでなく、仕事内容や業績を反映した職務給、功績給の性質もあると指摘。再雇用の嘱託職員は役職への就任は想定されず、勤続年数に応じた増額もないことなどから、「正社員とは性質や支給目的が異なる」と述べた。
 こうした点について二審は適切に考慮していないとして、審理をやり直すよう命じた。

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