元看護師、3人殺害認める 責任能力争点―入院患者連続死・横浜地裁

東京, 10月01日, /AJMEDIA/

横浜市の大口病院(現横浜はじめ病院)で2016年、入院していた70~80代の患者3人の点滴に消毒液を入れ殺害したとして、殺人罪などに問われた元看護師久保木愛弓被告(34)の裁判員裁判の初公判が1日、横浜地裁(家令和典裁判長)であった。久保木被告は「すべて間違いありません」と述べ、起訴内容の事実関係を認めた。弁護人は刑事責任能力を争う方針を示した。

 久保木被告は捜査段階で3人の殺害を認め、「自分の勤務時に容体が急変したり死亡したりした場合、家族に納得してもらえるか不安だった」などと動機を供述していた。横浜地検は被告を鑑定留置して事件当時の精神状態を調べ、責任能力を問えると判断した。

 検察側は冒頭陳述で、勤務時間中に患者が亡くなると遺族から責められるのではないかという思いから殺害に及んだと指摘。起訴前の精神鑑定の結果などから、久保木被告には完全責任能力があったと主張した。

 弁護側は、起訴後に行われた精神鑑定を根拠に、被告は統合失調症の著しい影響下にあり、心神耗弱状態だったと反論。3人のうち症状の重かった男性患者2人については、病気に伴う肺炎なども死因になったと訴えた。

 公判では、精神鑑定に当たった医師らの証人尋問が予定されている。22日に論告求刑と最終弁論があり、判決は11月9日の予定。

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