東京, 9月20日, /AJMEDIA/
オーストラリアがアメリカなどとの新たな安全保障の枠組みに伴ってフランスと共同で進めていた潜水艦の開発計画が破棄されることになり、フランスが強く反発しています。この問題をめぐり、近くアメリカとフランスの両首脳による電話会談が行われることになりました。
アメリカとイギリス、オーストラリアの3か国は中国を念頭に「AUKUS」と呼ばれる新たな安全保障の枠組みを創設し、オーストラリア初の原子力潜水艦の配備を支援することを決めました。
これに伴ってオーストラリアがフランスと共同で進めてきた潜水艦の開発計画は破棄されることになり、フランスはアメリカとオーストラリアに駐在する大使の召還を決めるなど強く反発しています。
こうした中、フランス政府のアタル報道官は19日、アメリカのバイデン大統領からの要請で近くマクロン大統領との電話会談が行われることを明らかにしました。
フランスでは、オーストラリアとの潜水艦の開発計画の契約は560億ユーロ、日本円で7兆円余りにのぼると見込まれ、経済効果も期待されてきただけに失望が広がっています。
また、フランスのルドリアン外相は18日、事前の相談がなかったとして「本当の意味での同盟国は話し合い、互いを尊重するがそうなっていない。重大な危機だ」と警告しました。
米仏両首脳の会談でこれ以上の関係悪化を防ぎ同盟国としての信頼関係を回復させることができるかが焦点です。
北朝鮮「核拡散防止の制度を破壊する無責任なこと」
アメリカがオーストラリアとイギリスとともに新たな安全保障の枠組みを創設してオーストラリアの原子力潜水艦の配備を支援することについて、北朝鮮外務省の対外報道室長が20日朝、国営の朝鮮中央通信を通じて声明を発表しました。
このなかで「中国をはじめとするわれわれの周辺国がアメリカの今回の行動について、地域の平和と安定、国際的な核拡散防止の制度を破壊する無責任なことだと糾弾するのは当然だ」として中国と共闘する形で批判しました。
そのうえで「わが国の安全に少しでも否定的な影響を及ぼす場合、必ず相応の対応をするだろう」としてアメリカなどをけん制しました。
北朝鮮としては最大の後ろ盾である中国との友好関係を強調してアメリカに対抗していく姿勢を改めて示したものとみられます。