東京, 10月05日, /AJMEDIA/
カトリック信者が多数を占めるフランスで5日、この70年間に教会で神父ら約3千人の聖職者が子供たちに性的な虐待をしていたと結論づける報告書が公表される。仏メディアは被害者は1万人以上いるとみており、「教会にとって激震になる」と報じている。
5日に公表されるのは、弁護士や神学者、精神科医ら22人からなる独立調査委員会による報告書。2015年以降、性的虐待を受けた被害者の団体が結成され、フランスのカトリック教会の聖職者に対する告発が相次いだことから、18年にフランスの司教や聖職者の団体が独立調査委員会の設置を決定。2年半かけて被害者や聖職者への聞き取りやアンケートが行われていた。
報告書の公表を前に、調査委員長らが仏メディアに語った内容によると、1950年代以降、フランスの教会で、少なく見積もっても2900~3200人の聖職者が子どもへの性犯罪に関わった。3分の2が神父だったという。性的虐待を犯した神父らが異動したり、被害者たちが沈黙を強いられたりするなどして、長く明るみに出なかったという。
調査委員が教会の地下室や屋根裏部屋で事件を記録した文書を発見したことで、調査が進展。2019年にローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇も、聖職者による性犯罪は機密扱いしないと決め、調査へ協力する姿勢を示した。
被害者の証言や事件の背景、改善策などをつづった報告書は2500ページに及ぶという。