今なお続く被害者の苦悩 犠牲者4割は身元未確定―米同時テロから11日で20年

東京, 9月10日, /AJMEDIA/

【ワシントン時事】2001年9月に起きた米同時テロから11日で20年。世界貿易センタービルなどへの攻撃で命を落とした日本人24人を含む3000人近い犠牲者の中には、いまだ身元を特定できていない人が多数いる。また、テロに起因したとみられる疾病で、現在も多くの人が悩まされるなど、被害者の苦しみは続いている。

 ニューヨーク市の検視局は7日、世界貿易センタービルを標的としたテロの犠牲者2人の身元が新たに判明したと発表した。収容された遺体の一部のDNAを最新技術で鑑定し、特定に至ったという。犠牲者の身元特定は19年10月以来。

 同ビルには国際テロ組織アルカイダのメンバーにハイジャックされた航空機2機が突入した。計2753人が死亡したが、今回身元が判明した2人は「1646人目と1647人目」。犠牲者の40%は、依然として身元を確認できていない。

 サンプソン検視局長は声明で、「同時テロからどれだけ時間が過ぎても決して忘れず、亡くなった方々を再び家族の元へ戻すため、あらゆる手を尽くす」と表明。今後も身元特定に取り組む決意を強調した。

 世界貿易センタービルの倒壊で、大量の粉じんや有害物質が現場周辺に長期間残り、健康被害を訴える救助関係者や近隣住民が相次いだ。同時テロの犠牲者補償基金(VCF)は、テロ20年に合わせて出した報告で「テロ関連の疾病による死者数は、テロ自体の犠牲者数を超えたとみられる」と指摘した。

 VCFはこれまでに、申請のあった4万人以上に総額89億5000万ドル(約9900億円)超を支払った。申請者の48%はがんを患ったと訴えており、申請件数はここ数年、増加傾向にあるという。

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