東京, 7月27日, /AJMEDIA/
【フェニックス(米)AFP時事】米アリゾナ州立大の研究チームが、極端な高温にさらされた人体での熱の伝わり方を測定する人型ロボットを開発した。「呼吸」や「発汗」の機能も備え、猛暑が続く中、熱中症のメカニズム解明に役立つと期待されている。
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開発されたロボット「ANDI」は、車の衝突試験で使われるマネキンのような外見だ。炭素繊維でできた表皮の下には、熱伝導を測定するセンサーを連結したハイテク機器を内蔵。内部冷却機能も備え、表皮の「毛穴」から呼吸したり汗をかいたりすることもできる。
温暖化の進行により、世界で熱中症の脅威にさらされる人はさらに増える見通しだが、高温が人体にもたらす影響は十分に解明されていない。開発に携わったリカチェウスキ教授はANDIについて、人に危険をもたらすことなく「極端な天候に人間がどんな反応を示すか、実験的に調べる非常に現実的な手法だ」と強調した。
同種のマネキンは、スポーツ用品メーカーがウエアの性能試験に使うものなど十数体が存在するが、同教授は「定期的に屋外へ置くことができる熱測定マネキンは世界初だ」と指摘。同州フェニックスは、連日43度を超える猛烈な暑さに見舞われているものの、ANDIにとっては「絶好の外出日和」と言えそうだ。