中国首相「新冷戦に反対」 景気回復に自信―ボアオ会議で演説

東京, 3月31日, /AJMEDIA/

【ボアオ(中国海南省)時事】中国の李強首相は30日、経済問題などを討議する「ボアオ・アジアフォーラム」の年次総会で基調演説を行い、「一方的な制裁や新冷戦に反対する」と述べた。米国による対中輸出規制の強化や、ウクライナ侵攻に伴う西側諸国の対ロシア制裁を念頭に置いた発言とみられる。中国経済については「成長の勢いは強い」と先行きに自信を示した。
中国首相、景気回復をアピール 「今年は上向き」―ボアオ会議で演説

 李氏は3月中旬に首相に就任したばかり。新政府が景気回復を最優先課題に位置付ける中、実現には対外関係の「安定」が不可欠となる。
 李氏は演説で「アジアが発展するためには、混乱や戦争があってはならない」と訴えた。その上で、「一方的な経済制裁や新冷戦には反対し、平和的な方法で国家間の争いを解決していく」と表明。台湾の蔡英文総統の訪問を受け入れるなど、中国への対抗姿勢を強める米国を暗にけん制した格好だ。
 景気については、3月に入り「1~2月よりもさらに良くなっている」との認識を示した。経済対策としては、内需拡大を重視すると説明。経済成長を続けるため、外資の投資を歓迎する考えも示した。米銀の破綻などを受けて世界経済の先行きに不透明感が漂う中、「金融の安定を維持する」と強調した。
 ボアオ会議は中国主導の国際会議で、李氏に加え、スペインのサンチェス首相やシンガポールのリー・シェンロン首相、マレーシアのアンワル首相、国際機関トップらが出席。中国がゼロコロナ政策に基づき厳格な水際対策を導入していたことから、海外の要人を現地に多数招いて開催するのは2019年以来、4年ぶりとなった。

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