中国念頭「威圧から利益守る」 米国務長官、ウクライナに危機感―日米豪印外相

東京, 2月12日, /AJMEDIA/

 日本、米国、オーストラリア、インド4カ国(通称クアッド)の外相は11日午後、豪メルボルンで対面による会談を行い、共同声明を発表した。インド太平洋地域を「国家が威圧されることなく国民の利益を守るために尽力する地域」と位置付け、覇権主義的な動きを強める中国をけん制。ロシアの軍事的圧力で緊迫するウクライナ情勢についても協議した。
 会談には、林芳正外相、米国のブリンケン国務長官、豪州のペイン外相、インドのジャイシャンカル外相が出席した。
 林氏は席上、中国が東・南シナ海で進める一方的な現状変更の試みに「深刻な懸念」を表明。4外相は「ルールに基づく海洋秩序への挑戦に対抗する」ことで一致した。台湾情勢についても意見交換し、林氏は「台湾海峡の平和と安定が重要だ」と指摘した。
 一方、ブリンケン氏は会談でウクライナ情勢に関し「われわれは協力して国際ルールに基づく秩序を守らなければならない」と強調。「ロシアの危険な行動は国際規範への挑戦だ」と批判した。共同記者会見では「地球の反対側の欧州で起きていることであってもこの地域に影響がある」と述べ、ロシアの侵攻を許せば中国の力による現状変更を加速させかねないとの危機感を示した。
 林氏は会談後のオンライン記者会見で「国際社会が連携し、適切に対応していくことについて一致した」と明かした。ただ、共同声明にウクライナへの言及はなかった。
 クアッドは「自由で開かれたインド太平洋」構想を具体化する枠組みで、外相会談は今回で4回目。今年前半にクアッド首脳会合を日本で開催することを確認した。新型コロナウイルスワクチンの供給や海洋安全保障といった「実践的協力」を進めることも申し合わせた。

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