世界経済に「三重の脅威」 日米などロシア非難―G20財務相会議初日

東京, 7月16日, /AJMEDIA/

日米欧やロシア、中国など20カ国・地域(G20)の財務相・中央銀行総裁会議が15日、インドネシアのバリ島で開幕した。初日は、ロシアによるウクライナ侵攻の影響で減速する世界経済の回復を持続させるため、成長を脅かすインフレ、食料危機などへの対応を議論した。日米などはロシアの侵攻を名指しで非難。中ロなどは立場が異なり、全会一致が必要な共同声明を最終日の16日にまとめられるか厳しい情勢だ。
 議長を務めるインドネシアのムルヤニ財務相は開幕に当たり、商品価格上昇、インフレ、戦争の「三重の脅威」が新興国と開発途上国だけではなく、先進国にも波及する恐れを指摘。「G20の行動が世界中のすべての国に重要な影響を与える」と述べ、参加国に協調を呼び掛けた。
 食料不安に対処するため、ムルヤニ氏はG20の財務相と農業担当相の合同会議開催も提唱した。
 日本からは鈴木俊一財務相と黒田東彦日銀総裁が出席。鈴木氏は初日討議後、記者団の取材に応じ、「ロシアを最も厳しい言葉で非難した」と説明。「戦争の経済的帰結のすべての責任はロシアにあると述べた」ことを明らかにした。急速に進む円安・ドル高についても「為替市場で急激な変動が見られており、高い緊張感を持って市場動向を注視する必要がある」と発言したという。
 イエレン米財務長官は物価上昇の責任はロシアにあると非難。ロイター通信によると、カナダのフリーランド財務相もロシアの責任を追及した。共同声明案の調整では、ロシアの責任への言及に同国が反発している。
 ロシアのシルアノフ財務相はオンライン形式で参加し、会場には財務相代理が出席。ウクライナのマルチェンコ財務相もオンライン参加した。前回4月の会議ではロシア側の発言時にイエレン氏らが退席したが、今回ボイコットはなかった。

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