東京, 01月03日, /AJMEDIA/
イスラエル軍が攻勢を強めるパレスチナのガザ地区では2日、多くの避難民が身を寄せるパレスチナ赤新月社の拠点が攻撃を受けて死傷者が出るなど、状況は厳しさを増しています。
一方、レバノンの首都でイスラム組織ハマスの政治部門の幹部などが殺害され、地域の緊張がさらに高まらないか懸念されます。
パレスチナのガザ地区では2日もイスラエル軍による激しい空爆などが各地で続き、中東の衛星テレビ局アルジャジーラは南部のハンユニスで犠牲者が相次いだと報じています。
また、パレスチナ赤新月社は、ハンユニスにある1万4000人もの避難者が身を寄せる拠点が攻撃を受け、複数の死傷者が出たとしていて状況は厳しさを増しています。
ガザ地区の保健当局は2日、一連の攻撃で24時間に207人が死亡し、これまでの死者は2万2185人になったとしています。
一方、レバノンの首都ベイルートで2日、爆発があり、ハマスは、現地に滞在していた政治部門の幹部など合わせて7人がイスラエル軍による攻撃で殺害されたと明らかにしました。
これについてハマスのハニーヤ最高幹部は、「暗殺は完全なテロ行為であり、レバノンの主権を侵すものでパレスチナ人の抵抗の意志をくじくことはできない」などと非難するとともに、徹底抗戦を続ける姿勢を改めて示しました。
イスラム教シーア派組織ヒズボラが拠点を置くレバノンの南部は、たびたびイスラエル軍による空爆を受けてきましたが、首都ベイルートがこうした形で攻撃を受けるのは一連の衝突が始まった去年10月7日以降初めてとみられ、地域の緊張がさらに高まらないか懸念されます。
イランが声明「レバノンの主権侵害だ」
レバノンでハマスの幹部が殺害されたことを受けて、ハマスを支援しているイランの外務省のキャンアニ報道官は2日声明を出し「イスラエルがテロと犯罪によって成り立っていることが改めて示された。レバノンの主権侵害だ」と非難するとともに、国連の安全保障理事会などに対し、速やかに適切な対応をとるよう呼びかけました。
そのうえで「殉教者たちの血は、パレスチナだけでなく地域や世界でイスラエルによる占領と戦う動機となるだろう」として、戦火が一層拡大する可能性があると警告しました。