リンさん「心からうれしい」 逮捕から2年、つかんだ勝利―双子遺棄無罪

東京, 3月25日, /AJMEDIA/

死産した双子の遺体を遺棄したとして死体遺棄罪に問われたレー・ティ・トゥイ・リンさん(24)に24日、逆転無罪判決が言い渡された。突然の逮捕から2年4カ月。技能実習生としてベトナムから来日し、異国の地で苦労しながらつかんだ勝利に「本当に長かった。心からうれしい」と喜びを語った。
リンさんは2018年8月に来日。送り出し機関やあっせん業者への仲介料など約150万円は、ベトナムの両親が実家を売るなどして工面した。熊本県芦北町のミカン農家で働き、月給約14万円のうち10万円ほどを両親への仕送りに充てた。
 妊娠に気付いたのは20年7月ごろ。SNSで「監理団体や雇用主が妊娠を知ったら帰国させられる」との情報を目にし、誰にも相談できないまま約4カ月後、一人で住んでいた民家で双子を死産した。
 「ごめんね。天国で安らかに眠ってください」。出産の痛みと死産のショックに耐えながら遺体をおくるみのタオルで包み、寒くないようにと二重にした段ボール箱に入れたリンさん。わが子にベトナム語で「強く、たくましい」という意味を持つ「コイ」「クォイ」という名前を付け、手紙を添えた。
 リンさんは「肉体的にも精神的にも苦しかったが、できる限りのことをした。子どもたちを血まみれのマットレスの上で冷たくさせることはできなかった」と振り返る。
 リンさんの無罪判決を求める署名は9万筆以上集まり、裁判所に提出された。判決後、オンラインで会見したリンさんは「無罪判決によって、妊娠で悩む女性の苦しみを理解し、刑罰を加えるのではなく安心して出産できる社会に変わってほしい」と願った。

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