ライシ師追悼終え大統領選へ 保守強硬派優位か―イラン

東京, 5月26日 /AJMEDIA/

イランでは19日のヘリコプター墜落で死亡したライシ大統領の追悼行事が終わり、後任を決める来月28日の大統領選に向けた動きが本格化する。イラン政界は欧米との対立も辞さない保守強硬派が主導権を握っており、選挙でも優位とみられる。高齢の最高指導者ハメネイ師の後継を占う上でも、行方に内外の関心が集まる。

 大統領選は今月30日から来月3日までの立候補届け出に続いて、ハメネイ師の意を酌む保守強硬派主導の「護憲評議会」が立候補資格を事前審査。イスラム革命体制に批判的と見なされれば、出馬自体が認められない。このため有権者の間では「不公正な出来レース」との不満が強く、ライシ師が当選した2021年大統領選や今年3月の国会選挙での投票率は、1979年の革命以降で記録的な低さだった。

 ライシ師の突然の死で保守強硬派内に有力候補はおらず、過去の選挙で敗れた候補らが出馬を模索する可能性が高い。立候補経験のあるガリバフ国会議長や、前回出馬したジャリリ元最高安全保障委員会事務局長、レザイ元革命防衛隊司令官らが取り沙汰される。

 保守穏健派や改革派では、ハタミ政権(97~2005年)で副大統領を務めたメフルアリザデ氏やヘンマティ元中央銀行総裁らを軸に候補者選考が進むとみられる。ただ、護憲評議会が革命体制の安定を志向するとの見方から、強硬派以外の候補の出馬をどこまで認めるかは見通せない。シンクタンク「国際危機グループ」のイラン専門家アリ・バエズ氏は、米メディアに「次の選挙では変化より継続が重視され、熱心な支持者だけが投票に行くだろう」と予測した。

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