マリン首相、政権維持へ正念場 3党の支持率伯仲―フィンランド総選挙4月2日投票

東京, 3月31日, /AJMEDIA/

【ヘルシンキ時事】北欧のフィンランドで4月2日、任期満了に伴う議会(一院制、定数200)選挙が行われる。最新の世論調査によると、マリン首相率いる中道左派の与党・社会民主党(SDP)と、保守の野党・国民連合、右派の野党フィン人党の支持率がほぼ伯仲。3党間の大接戦が予想され、マリン首相は政権維持へ正念場を迎えている。
〔写真特集〕フィンランド マリン首相

 地元紙ヘルシンギン・サノマットが28日公表した支持率調査結果では、国民連合が19.8%で首位となった。SDP、フィン人党は共に19.2%だった。
 フィンランドでは通常、総選挙で最多の議席を得た政党が軸となり連立政権を発足させる。現在のマリン政権も5党が連立している。投票の行方次第では、複雑な連立交渉を経て、最終的にSDPが下野し政権交代となる結果もあり得る。
 投票日を間近に控えた29日、ヘルシンキの繁華街では、各陣営がチラシ配りなど選挙運動を活発に展開し、道行く人に支持を訴えていた。SDP関係者の女性は「接戦で結果がどうなるか分からない。政権を維持できればいいけれど」と話し、勝利に確信を持てないでいる。
 選挙は経済・財政政策のほか、医療など公共サービス改革が主な争点。ロシアのウクライナ侵攻を受けた北大西洋条約機構(NATO)加盟申請に関しては、議会の大部分が支持しており、大きな争点には浮上していない。
 2019年4月の前回総選挙では、欧州難民危機の余韻が残る中、反移民を訴えたフィン人党が躍進、SDPとほぼ互角の第2党となった。SDPは中央党、緑の党、左翼同盟、スウェーデン人民党と組んだリンネ政権を発足させたが、リンネ首相は中央党と対立、12月に辞任した。
 リンネ政権で運輸・通信相だったマリン氏は「信頼を取り戻す」と約束して後継者となった。当時34歳で「フィンランド史上最年少の首相誕生」と話題を呼んだ。

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