東京, 8月31日, /AJMEDIA/
パーキンソン病や一部の認知症などの患者の脳に蓄積する異常なたんぱく質を画像で捉える技術を開発したと量子科学技術研究開発機構のグループが発表しました。
病気の早期発見につながることが期待されています。
この研究は、量子科学技術研究開発機構の樋口真人部長などのグループが神経科学の国際的な専門雑誌に発表しました。
研究グループは、パーキンソン病や「レビー小体型」と呼ばれる認知症の患者の脳にたまる、「αシヌクレイン」という異常なたんぱく質に注目し、これに結合して微弱な放射線を出す特殊な薬剤を開発しました。
そして、同じように「αシヌクレイン」がたまる神経の難病で、筋肉が硬くなり、運動障害などが起きる「多系統萎縮症」の患者3人に薬剤を投与して、特殊な装置で撮影すると、脳の中にこのたんぱく質がたまっている様子が撮影できたということです。
存命の患者の脳の中で「αシヌクレイン」がたまっている様子を確認できたのは世界で初めてだということで、研究グループはパーキンソン病や一部の認知症でも早期発見や詳しい発症のメカニズムの解明につながるのではないかと期待しています。
樋口部長は「病変がどこにどれぐらい見られるかはっきりさせられれば、疾患を見分ける精度が格段に上がり、治療薬の開発などの研究の足がかりになっていくと考えている」と話しています。