東京, 10月22日, /AJMEDIA/
厳しいインフレが続くトルコで中央銀行が21日、主要な政策金利を引き下げる利下げに踏み切りました。これを受けて通貨リラは急落し、利下げが物価高に拍車をかけかねないと懸念の声が出ています。
トルコ中央銀行は21日、金融政策を決める会合を開き、主要な政策金利を年18%から2%引き下げ、16%にすることを決めました。
利下げは2か月連続です。
トルコは消費者物価の上昇率が20%近くになるなど、厳しいインフレが続く一方、通貨リラはことしに入っておよそ20%下落し、物価高と通貨安の双方に見舞われています。
このため市場では、苦境を抜け出すには金利を引き上げる必要があるという見方が大勢でしたが、逆に利下げが決まったことで通貨リラはドルに対して一時、3%近く急落し、これまでの最安値をつけました。
インフレ懸念の高まりなどを背景に各国の中央銀行が金融引き締めへの転換を模索する中で、トルコの動きは利下げは国民に広く歓迎されると考えるエルドアン大統領が介入した結果だとする指摘が出ています。
石油や天然ガスなど、世界的なエネルギー価格の上昇がトルコ経済にも影を落としているだけに、今回の利下げは、輸入品の値上がりを通じて物価高に拍車をかけ、暮らしや企業活動にさらなる打撃になりかねないと懸念されています。