トルコ地震「信じ難い規模」 日本でも活動の救助指揮官

東京, 3月4日, /AJMEDIA/

【アダナ(トルコ)時事】2月6日のトルコ大地震で甚大な被害が出た南部カフラマンマラシュ県で救助活動を指揮したトルコ災害緊急事態対策庁のヤルチュン・ムムジュ氏(59)が2日、南部アダナでインタビューに応じ、過去1カ月近くにわたる現地での活動について「信じ難い規模の災害で、倒壊現場が多過ぎた」と厳しい表情で振り返った。
トルコではこれまでに地震で4万5000人以上の死亡が確認されている。ムムジュ氏は「カフラマンマラシュ県では2500人を危険な状況から救ったものの、犠牲者は1万2000人に達した」と述べ、壮絶な被害が出たと強調。死傷者が10県以上、被災者は1300万~1400万人に及ぶことを指摘し、「これだけ広い範囲に被害が出る地震も極めて珍しい」と語った。
 ムムジュ氏は12年前の東日本大震災でトルコから派遣された救助隊を率い、津波で大きな被害が出た石巻市など宮城県内各地で活動した経験がある。当時の状況を「日本での活動の際は体内の放射線量を測っており、固有のリスクがあった」と述懐した。
 ただ、活動後に改めて日本を訪れる機会があり、「津波の被災地が復興しているのを目の当たりにした」という。トルコでも「仮設住宅の設置などが着実に進んでいくと信じている」と語った。
 カフラマンマラシュ県では日本から派遣された救助隊も活動した。ムムジュ氏は「同じく地震の苦難を経験してきた日本の人々は、われわれの心の中で特別な場所にある」と支援への謝意を示した。
 ムムジュ氏は自身の活動拠点である北西部ブルサから、地震発生当日にカフラマンマラシュ県に入り、3月2日に初めて現場を離れた。いったんブルサに戻り、数日中に再び被災地に入る見通し。

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