ダビンチ、奴隷の子だった? 研究者が新説―イタリア

東京, 3月16日, /AJMEDIA/

【フィレンツェ(伊)AFP時事】ルネサンス期の巨匠で名画「モナリザ」で知られる芸術家レオナルド・ダビンチの母親について、黒海とカスピ海に挟まれたカフカス地方出身の奴隷だったとする新説が発表された。数十年ダビンチ研究を続けるナポリ大学のカルロ・ベッチェ教授が14日、イタリア中部フィレンツェで記者会見した。
これまでダビンチの母親は長らくイタリア・トスカーナ地方の農民と考えられてきた。だが、ベッチェ氏はフィレンツェの古書を調べ、新著「レオナルドの母、カテリーナのほほ笑み」の中で奴隷説を披露した。
 ベッチェ氏はAFP通信に対し、母親は「(カフカス地方の)チェルケス人の奴隷で、カフカス山脈から連れ出され、何度も売られる中、ベネチアを経てフィレンツェに到着。ここで若い公証人のピエロ・ダビンチ氏と出会った」と説明。この2人の子供がレオナルドと呼ばれたという。
 ダビンチを巡る新説は専門家集団から疑義が呈されるのが常だが、ベッチェ氏はダビンチの父親本人が書いた文書が証拠だと述べた。これはダビンチの母親の「自由奪還のための」法的文書で、1452年に作成されたとしている。
 ベッチェ氏は、居住地を転々とした母親の困難な人生がレオナルドの作品にも影響を与えたとみている。ローマ拠点のダビンチ研究の第一人者パオロ・ガルッツィ氏は、DNA検査ができないので最小限の疑いは残るとしつつ、今回の新説は「かなり説得力がある」と強調した。

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