スポーツ庁とJAXAが連携協定結ぶ 知見やノウハウを共有

東京, 2月19日, /AJMEDIA/

厳しいトレーニングを経ての高いパフォーマンスがともに求められる、アスリートと宇宙飛行士の知見やノウハウを共有し、人類の心身の向上につながる新たな価値を生み出そうと、スポーツ庁とJAXA=宇宙航空研究開発機構が連携協定を結びました。

東京 港区で行われた協定の調印式には、スポーツ庁の室伏長官と、JAXAの山川宏理事長が出席し連携の協定書にサインしました。

協定では、ともに人類の可能性を広げることを追求しているスポーツと宇宙分野が連携し、人間の身体能力や環境への適応力などに関する知見を共有して人類の心身の向上につながる新たな価値を生み出すとしています。

具体的には、トップアスリートと宇宙飛行士がそれぞれの施設を活用してトレーニングを行うほか、無重力での健康管理やスポーツでのコンディショニングづくりなどのノウハウを相互に共有していくこと、それに、パラスポーツや、宇宙での活動を通じた身体機能に関する研究などで連携を進めていく方針です。

さらに、アスリートと宇宙飛行士による対談といったイベントの実施や、宇宙空間でどのようなスポーツができるかの検討なども行うということです。

室伏長官は、「アスリートも宇宙飛行士も人類のチャレンジをしているところに一体感を感じている。新たな視点で、国民のライフパフォーマンスの向上にもつながるような取り組みをしていきたい」と話していました。

またJAXAの山川理事長は、「宇宙もスポーツも、過酷な環境と大きな制約の中で活動しているという共通点がある。JAXAとしても宇宙空間での活動を、地球上での人類の生活にいかに還元するかということは重要な目的だと思っている」と話していました。

パラアスリートや宇宙飛行士も期待
19日の連携協定の調印式には、パラアスリートから、パラ競泳の『全盲のエース』でパリパラリンピックでは2つの金メダルを獲得した木村敬一選手と、ブラインドサッカーの川村怜選手、宇宙分野からは3回の宇宙飛行を行った野口聡一さんと宇宙飛行士の金井宣茂さんが出席しました。

木村敬一選手「パラアスリートが宇宙開発に関わっていければ」
このうち木村選手は「パラアスリートは競技力を高めていくために、残存する機能を鍛え上げている。新たな機能を見いだし、感覚を研ぎ澄ませ人類のポテンシャルを引き出していく挑戦を日々行っている」とパラスポーツの意義を語りました。

そのうえで「宇宙空間では、地球と同じような身体活動をすることは難しいと想像するので、パラアスリートが行っている新たな機能や感覚の開拓が多少でも役に立つのではないかと思っている。今回の連携に大きな喜びと期待を感じているし、パラアスリートが何らかの形で宇宙開発に関わっていけるといいなと思う」と話していました。

野口聡一さん「すばらしいシナジーを生む」
また野口さんは「宇宙とスポーツは科学というキーワードでつながっている。スポーツを科学する、宇宙をプレーする、そのことで人間の行動変容につなげられるはずで、すばらしいシナジーを生むと思う」と連携開始への喜びを語りました。

そして、「私が宇宙まで行って本当に分からなかったことは心の中だ。宇宙飛行士もアスリートと同じように燃え尽きや目標を失ってからの立て直しに直面しているが、そこは科学で解明できそうでできない分野だった。そうした面も含めて、ライフパフォーマンスの向上に向けた新たな知見を、この連携が与えてくれることを期待したい」と話し、スポーツと宇宙分野の相乗効果で心身両面での研究が進むことに期待を寄せました。

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