東京, 7月9日, /AJMEDIA/
強い日差しが照りつけたセンターコートは、完全に敵地の雰囲気だった。地元英国のノリーが第1セットを奪うと、割れんばかりの大歓声。ジョコビッチは反撃のスイッチを入れるかのように、白い帽子をかぶった。
第2セットは第8ゲームで先にブレークし、「ここから勢いが変わってきた」。ノリーのミスが増えた隙を逃さず、精度の高いショットで前後左右に揺さぶってラリーを支配した。マッチポイントを握ると、観客から罵声が飛んだ。鋭いサーブで勝利を決め、観客席に向かってキスのようなジェスチャー。拍手とブーイングが入り交じった。
「決勝進出は常に目標。トロフィーを獲得できる位置につけてうれしい」。ウィンブルドンは8度目の決勝進出となり、回数はフェデラー(スイス)に次ぐ男子歴代単独2位。2018年以降、27連勝と圧倒的な強さを誇示し続けている。
4連覇が懸かる決勝は27歳のビッグサーバー、キリオスとぶつかる。「仕事はまだ終わっていない。一つ確かなのは、両者とも感情的に多くの花火が上がるだろう」。熱戦を覚悟した。