クレディ・スイス買収合意 UBSが救済、4300億円―金融危機回避へ当局主導

東京, 3月20日, /AJMEDIA/

【ロンドン時事】スイス金融最大手UBSは19日、経営危機に陥った同業クレディ・スイスを30億スイスフラン(約4300億円)で買収することで合意したと発表した。クレディ・スイスの破綻がスイス発の金融危機に発展しかねないとの懸念が強まる中、UBSは当局主導でライバルの救済に踏み切る。
米中堅銀行シリコンバレー銀行(SVB)の破綻をきっかけとした金融市場の混乱は、世界有数の巨大金融機関の再編へと一気に進んだ。ただ市場の動揺が収束するかは不透明だ。
 合意によると、UBSはクレディ株を1株当たり0.76スイスフラン(約108円)で取得する。UBSは当初提示したと伝えられた同0.25スイスフランから引き上げたが、17日のクレディ株の終値(1.86スイスフラン)をなお大きく下回る。買収は年内に完了する見通し。
 合意を受け、スイス国立銀行(中央銀行)は2社に最大1000億スイスフラン(約14兆円)の流動性支援融資を行うと表明。またスイス政府はUBSに90億スイスフラン(約1兆3000億円)の政府保証を提供する。ケラーズッター財務相は記者会見で、今回の合意は「(クレディ・スイスの)救済ではなく商業的な解決策だ」と説明した。

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