クアッドと並行、対ロ関係強調 独自外交路線を継続―インド

東京, 12月07日, /AJMEDIA/

インドのモディ首相にとって、6日のプーチン・ロシア大統領との会談は、インド外交の「戦略的自律性」(インド外務省高官)を強調する機会となった。インドは、日米、オーストラリアと連携枠組み「クアッド」で協調しつつ、多方面外交を継続。特定の陣営への深入りを慎重に避け、自国利益の最大化を目指している。
 核保有国の中国、パキスタンに隣接するインドは、今回の会談を前に、ロシア製地対空ミサイルシステムS400の導入を強行した。ロ印両国は2018年のプーチン氏の訪印時にS400の購入契約を締結。その後は米国が制裁発動を示唆し、インドに再考を促していた。
 「非同盟」の外交方針を掲げるインドは、冷戦時代も旗幟(きし)を鮮明にしなかったため、欧米諸国から兵器を購入できなかった経緯がある。代わりに軍事面をはじめ、ロシアと密接な関係を築いてきた。
 ただ、カーネギー財団モスクワ支部のトレーニン所長は今月2日の論考で、両国関係について「伝統的に良好だったが、米印関係(強化)をめぐり疑念が忍び寄っている」と指摘。プーチン氏も11月中旬の外交演説で「インドは独立した多極的世界の強力な中心だ」と持ち上げつつ、インドの対米傾斜をけん制した。
 インド外務省高官は、今回の会談が「(ほぼ)毎年実施されている相互訪問の一環だ」と両国関係の緊密さをアピール。新型コロナウイルスの影響で行動を控えていたプーチン氏も、今年2度目の外遊の機会をインドのつなぎ留めに利用した格好だ。

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