東京, 6月2日, /AJMEDIA/
英君主として史上初の在位70年を迎えたエリザベス女王は、王室を揺るがす数々の危機に見舞われてきた。しかし、「全生涯を国民にささげる」との自身の誓いの言葉通り、忍耐強く、忠誠心を持って重責を全う。「国民に奉仕する王室」を広く印象付け、危機を巧みに乗り越えた。
女王と王室が過去に直面した最大の危機の一つは、長男チャールズ皇太子とダイアナ元妃の不倫騒動と離婚、元妃の交通事故死だ。泥沼の離婚劇は王室の内情を公衆にさらけだし、元妃死去の際に王室がすぐに弔意を示さず、「対応が冷たい」と批判を浴びた。
近年では、孫ヘンリー王子夫妻による王室離脱や次男アンドルー王子のレイプ疑惑が世界中を騒がせた。ヘンリー王子は公務引退後、メディアで王室の内情を暴露。アンドルー王子は未成年者に性的暴行を加えたとして米国で提訴され、和解したものの多くの疑念を残した。
こうした醜聞は王室のイメージを損ない、廃止論が取り沙汰される事態を招いた。しかし、王室を束ねる立場の女王は危機が起きるたびに「揺るぎなく、かつ確固とした」(BBC放送)姿勢で対処。伝統を重視する一方、「国民が望む王室」の在り方を模索し続け、必要とあれば改革にも柔軟に取り組んだ。
その結果、国民の理解も広がり、世論調査では6割以上が王室を支持。100歳に手が届こうとする今も公務にいそしむ女王の姿は人々の尊敬を集め、国全体の要と言っても過言ではない。
女王は2002年の在位50周年の際、自らの役割について「変革の時期を通じて国を導くこと」だと表現した。女王は国家への深い献身と改革を恐れないチャレンジ精神で民心をつかみ、王室を守り続けている。