ウクライナ派兵「考えず」 停戦へ中国の役割期待―復興で日本と連携・ポーランド外相

東京, 5月24日 /AJMEDIA/

ポーランドのラドスワフ・シコルスキ外相は23日までにワルシャワで時事通信のインタビューに応じ、ロシアの侵攻を受けるウクライナを支援するためポーランドが派兵することは「考えていない」と明言した。ロシアが政治・経済面で依存を深める中国に関しては「事態を終わらせるために取り組みを強めていないのは驚きだ」と語り、停戦に向けた中国によるロシアへの働き掛けに期待感を示した。

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 ポーランドはウクライナの西隣に位置し、北大西洋条約機構(NATO)の加盟国。派兵を巡っては、フランスのマクロン大統領が「排除すべきでない」と発言して波紋を呼んだが、シコルスキ氏は選択肢にないと明確に否定した。

 シコルスキ氏は、ウクライナ北東部ハリコフ州の国境地帯で地上侵攻を始めるなどロシア軍が攻勢に出ている現状について、ロシアが地上戦の主導権を取り戻したとの認識を表明。ただ、「3万~4万人もの戦死者を出して小さな町を掌握しても(ロシアの)勝利とは言えない」と述べた。

 一方で、ウクライナ軍が黒海を支配していたロシア軍の勢力を後退させ、ウクライナによる穀物の海上輸送再開に道を開いたのは「大成功だ」と評価した。戦況全体としては「混沌(こんとん)としている」と語った。

 停戦に向かう可能性に関しては「(ロシアの)プーチン(大統領)が真剣に交渉を望んでいる兆候はない」と指摘。事態を打開できるとすれば「ロシア側に交渉する意志がある時だ」と話し、現時点では停戦は難しいとの見方を示した。

 中国を巡っては、「ロシア軍需産業は中国からの(物資)供給がなければ立ち行かず、中国が望めばロシアに戦争をやめさせることができる」と強調した。その上で、ポーランドのドゥダ大統領が6月末に訪中し、習近平国家主席と会談する際、対ロ協力の停止を呼び掛けるとの見通しを明らかにした。

 ウクライナ復興では、「ポーランドはウクライナ投資の入り口だ」と説明。日本企業がポーランドに多く進出している実績を踏まえ、復興事業で「連携の余地がある」とし、日本の貢献に期待を寄せた。ポーランドによる欧州統一通貨ユーロの導入については、為替変動リスクにさらされないなどの利点があるため「個人的には賛成だ」と述べた。

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