ウクライナの子供に笑顔を 日本産「癒やしロボ」が効果―ポーランド

東京, 10月13日, /AJMEDIA/

日本のアザラシ型癒やしロボット「パロ」が、戦争体験による心的外傷後ストレス障害(PTSD)や発達障害を抱えるウクライナ避難民の子供のケアに効果を挙げている。パロの開発者で産業技術総合研究所の柴田崇徳上級主任研究員は、これまでポーランドの医療機関に計6体を寄贈。子供たちに笑顔が戻ってきたとの報告が届いている。
 パロは人工知能(AI)を内蔵し、話し掛けたり触れたりすると、鳴き声や体の動きで反応する。動物との触れ合いで癒やしを与える「アニマルセラピー」と同様の効果が得られるとして、日本や欧米の高齢者施設、児童養護施設などで活用されてきた。
 ウクライナ避難民のマリアナちゃん(5)は、ポーランド移住後に自閉症と診断され、ワルシャワ近郊の施設に通う。パロとの初対面では幾分緊張した様子だったが、すぐに笑顔でなでたり、抱きしめたりしていた。
 ワルシャワ医科大のマグダレナ・ワザレビチ博士は「パロには、治療に通う子供を安心させ心を開かせる効果があり、セラピーの促進に役立っている」と指摘。これまでパロに接した子供約80人のほぼ全員が、前向きな反応を示したという。
 柴田氏は今月上旬、パロを活用するポーランドの医療機関や施設を訪問した。「避難した当初、ロシアのプーチン大統領の名を書いた棺おけやミサイルが飛んでくる様子の絵を描いていた子供たちが、パロと接することで笑顔を取り戻したと報告を受けた」と効果を実感。今後はウクライナ国内の養護施設などへの寄贈も検討している。

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