インド太平洋との連携強調 ウクライナ理事会、初開催―NATO首脳会議閉幕

東京, 7月13日, /AJMEDIA/

【ビリニュス時事】北大西洋条約機構(NATO)首脳会議は12日、リトアニアの首都ビリニュスで2日目の討議を行い、閉幕した。ストルテンベルグ事務総長は終了後の記者会見で、日本を含むインド太平洋諸国との連携を強化すると強調。ウクライナのゼレンスキー大統領が出席して開かれた「NATO・ウクライナ理事会」の初会合についても「ウクライナをNATOに近づける重要な一歩だ」と意義を訴えた。
 NATOは昨年に続き、日本、韓国、オーストラリア、ニュージーランドの4カ国を首脳会議に招待した。会議には欧州連合(EU)も参加し、民主主義陣営の結束をアピールした。
 ストルテンベルグ氏は、北大西洋とアジアの安全保障が不可分との認識を改めて示した上で、ウクライナに侵攻するロシアと覇権的動きを強める中国を念頭に「われわれはルールに基づく国際秩序に立ち向かうため、一層緊密に協力していく」と述べた。
 NATOとして設置を検討していた東京事務所に関しては「今後検討されるだろう」と話し、合意に至らなかったことを認めた。中国の反発を懸念し、フランスが反対の立場を示していた。
 NATOは昨年改定した今後10年間の行動指針「戦略概念」の中で、初めて中国に言及した。11日の共同声明でも、中国のサイバー攻撃や偽情報が「同盟国の安全保障に害を及ぼす」と強調。警戒を強めている。
 ウクライナとの関係に関しては、従来の委員会の枠組みを理事会に格上げした。ウクライナを含む全参加国が理事会の開催を呼び掛けることができる。ストルテンベルグ氏は初会合の冒頭、「われわれはきょう、対等な立場で会議に臨む。(ウクライナが)同盟国となる日を楽しみにしている」と語った。
 NATOは11日の共同声明で、ウクライナの将来の加盟について具体的な時期を明示せず、ゼレンスキー氏は「前代未聞でばかげている」と不満を表明していた。ゼレンスキー氏は12日の理事会前の記者会見でも「(NATOから)招待を受けるのが最善だっただろう」と改めて指摘。一方で、NATOが将来の加盟手続きを簡略化する方針を決めたことは「高く評価する」と述べた。

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