東京, 1月7日, /AJMEDIA/
インドで少数派のイスラム教徒女性を勝手に「売買」できるかのように見せ掛けたアプリを作成したとして、多数派ヒンズー教徒の男女が相次いで拘束された。アプリには、ノーベル平和賞受賞者の女性人権活動家マララ・ユスフザイさんや有名女優らが掲載されていた。インドで強まるヒンズー至上主義を背景としたヘイトクライム(憎悪犯罪)と報じられている。
地元紙ヒンドゥスタン・タイムズによると、警察当局は事件に関与した疑いでインド各地に住む18~21歳の男女3人を拘束。首謀者とされる女(18)ら2人は、ヒンズー至上主義関係のインターネット交流サイト(SNS)で知り合ったと伝えられている。
今月1日に公開されたアプリは、オークション形式での「売買」を装い、イスラム教徒女性100人以上の顔写真などを掲載。マララさんのほか、著名ボリウッド(インド映画界)女優のシャバナ・アズミさんや人権活動家らが「標的」とされた。自身も写真を掲載されていたジャーナリストが警察に通報。アプリは削除され、実害は出ていないという。
インドでは昨年も同様のアプリが出現していた。ヒンドゥスタン・タイムズは6日付の論説で、「警察が(昨年)ほとんど行動を取らなかった」ため、今回の「ヘイトクライム」につながったと批判した。
2014年にヒンズー至上主義を掲げるモディ首相が就任して以降、インドではヒンズー過激派が勢いを増しており、ネット上ではイスラム教徒を隣国の宿敵パキスタンと結び付け、排斥を呼び掛けるような書き込みが相次いでいる。