東京, 3月2日, /AJMEDIA/
米CNETの6階建てのビルの屋上で、「iPhone 16e」(599ドル、日本では9万9800円)を高々と空に掲げる。自由の女神のまねごとをしているわけではない。iPhone 16eの「衛星経由の緊急SOS」機能をテストしているのだ。サンフランシスコのダウンタウンのど真ん中にもかかわらず、iPhone 16eはものの数秒で衛星電波をつかんだ。600ドル程度のスマートフォンで、こんな芸当ができる端末は他に思いつかない。
人々がスマートフォンに求める機能の上位に衛星通信が入ることはまれだ。たいていの人は、バッテリーの持ち(iPhone 16eは合格)、高性能なカメラ(こちらもクリア)、そして妥当な価格(この点はあと一歩)を求める。
iPhone 16eに対するAppleのアプローチは「タコベル」式だ。つまり、過去のiPhoneのパーツや機能を組み合わせて「新しい」iPhoneを作り出す。デザインとディスプレイは「iPhone 14」を思わせるが、プロセッサーはiPhone 16と同じ「A18」だ。そして、これがiPhone 16eのセールスポイントをあいまいなものにしている。新しいのに、古い。手の届く価格だが、安くはない。
iPhone16eを6日間にわたってテストしてきて、一番驚かされたのは、あまりにも「問題がない」ことだ。「iMessage」や「FaceTime」といったiOS 18の標準機能は当然使えるとして、他にも「Apple Intelligence」を使い、5Gで電話をかけ、共有したくなる写真や動画をたくさん撮影できた。「バイオハザード4」のようなゲームも遊べた。
いったい、これ以上の何を望むのか?
もちろん、こういったことはすべて「iPhone 16」や「iPhone 16 Pro」でもできるが、iPhone 16eなら、ずっと安く済む。確かにGoogleの「Pixel 8a」のような500ドル台(約7万円台)の端末と比べれば値頃感は劣るし、「格安スマホ」「廉価版」と呼べるほど安くはないが、600ドルの価値は十分に得られる。
キャンペーンやキャリア割引をうまく使えば、お値打ち感をさらに高められるだろう。