「産後パパ育休」、収入保障 少子化打開、効果は未知数

東京, 3月18日, /AJMEDIA/

岸田文雄首相が17日の記者会見で、男性の育児休業取得を後押しする「産後パパ育休」制度などを使って男女で仕事を休む場合の給付金増額を表明した。休業前の収入を実質的に全額保障する内容で、男性の育児参加を促すことで子どもを産み、育てやすい環境整備を図るのが狙いだ。ただ、効果は未知数で、想定を超えて加速する少子化を食い止める打開策となるかは見通せない。
産後パパ育休は、子の出生後8週間以内に4週間まで仕事を休める制度で、男性の育休取得を促すため昨年10月から始まった。柔軟に休みを取れるよう、2回に分けて取得することも可能だ。ただ、休業中に受け取れる給付金の水準は、休業前の賃金の67%。厚生労働省によると、男性が育休を取得しなかった理由では「収入を減らしたくなかった」が41.4%と最多で、ブレーキになっている。
 政府の少子化対策では、この給付金の水準を80%程度にまで引き上げる方針。給付金は非課税で、育休中は社会保険料も免除されるため、実質的に休業前と同水準の収入を確保できるようにする。
 男性の育休取得率は上昇傾向にあるものの、2021年度は前年度比1ポイント強上昇の13.97%となお低水準にある。首相は「政府目標を大幅に引き上げて25年度に50%、30年度に85%とする」と表明したが、現状では「25年30%」という今の目標達成すら危ぶまれるのが実情だ。
 ニッセイ基礎研究所の久我尚子上席研究員は、給付増は育休取得にある程度プラスに働くとの認識を示しつつも、「育休取得がキャリア形成にマイナスに響くとの懸念も根強い」と指摘。その上で、「育休が不利益にならないような環境整備が重要だ」と述べた。

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