「最も危険な賭け」、結果は? スペイン首相は冒険好き―総選挙

東京, 7月23日, /AJMEDIA/

【パリ時事】スペインのサンチェス首相(51)は5月下旬の地方選に敗北後、間髪入れずに解散・総選挙に打って出た。2018年6月の就任から5年余り。「冒険好き」で知られてきた首相だが、今回ばかりは「最も危険な賭け」(ロイター通信)と危ぶむ見方が多い。賭けの結果は23日の投開票後に判明する。
右派・国民党、第1党の勢い 23日投開票―スペイン総選挙

 5月28日投開票の地方選は、中道右派の最大野党・国民党が勝利し、首相率いる中道左派与党・社会労働党は大敗した。サンチェス氏は翌29日、解散・総選挙を突如表明。任期満了に伴って12月に実施される予定だった下院選は、寝耳に水の前倒しとなった。
 選挙準備が進んでいない野党の裏をかく狙いがあったとみられているが、衝撃は与党内にも広がった。事前に知らされた議員は多くなかったからだ。ただ、サンチェス氏は政治のギャンブルにたけており、リスクを取って成功した経験もある。任期満了まで待つと政権のレームダック(死に体)化が進む可能性は高く、不利な状況下でもあえて選挙を早める決断につながったようだ。
 それでも、与党の支持率は伸び悩んだままで、首相の思惑通りに運んだ選挙戦とは言い難い。連立パートナーの急進左派連合が性犯罪の厳罰化を目指しながら、犯罪者の減刑・早期出所につながる「法改悪」を招いてしまった問題が尾を引いた。意図しない失政だったとはいえ「女性に優しい政権」のイメージが台無しになった。サンチェス氏は「最大の過ち」と謝罪したが、野党の批判がやむことはなかった。

Follow us on social

Facebook Twitter Youtube

Related Posts