東京, 5月6日, /AJMEDIA/
国土交通省は、河川の周辺に整備している防災施設を平時からにぎわい創出にも活用する「MIZBE(みずべ)ステーション」制度を始めた。河川沿いの自然を生かし、災害時以外でも地元住民や観光客がキャンプ場などとして利用できるようにして、防災意識の向上と地域活性化の両方を狙う。今後「川の駅」として各地で整備を進めたい考えだ。
河川には、洪水に備えて国や自治体がポンプなど資機材を倉庫に備蓄したり、駐車場や多目的センターなどを設けて復旧活動の拠点にしたりする「河川防災ステーション」が整備されている。MIZBEステーションはこの施設に店舗やレジャー施設を一体的に整備・運営する仕組み。防災施設を整備する場合、国交付金の対象となる。初回登録として、既存のステーション9カ所と、今後整備予定の2カ所の計11カ所を認定した。
利用者には、敷地内の防災施設を見学して水害について知ってもらう。さらにスポーツイベントや自然体験活動、地場産品の販売などを通じて、周辺地域ににぎわいをつくる。
長野県飯山市の千曲川沿いで来年度から国が整備するステーションでは、大型土のうに使う土砂を盛り土として備蓄する。その上に同市がキャンプ場やドッグランを整備。隣接する道の駅と一体的に運営し、普段は複合的なアウトドア施設として運営する計画だ。
国交省は、行政だけでなく河川流域の住民も一体となって水害対策に取り組む「流域治水」の考え方を推進している。川の駅をきっかけに普段から河川を身近に感じてもらい、利用者に災害リスクや防災の重要性を発信していく考え。
同省幹部は「河川は災害のイメージがあると思うが、特に都市部では水面や水の音が貴重な安らぎになる」と期待を寄せる。