「子どもたちに笑顔を」 駄菓子通じて心のケア―東日本大震災14年・宮城県石巻市

東京, 3月9日, /AJMEDIA/

 東日本大震災の津波で甚大な被害にあった宮城県石巻市で、震災半年後から、駄菓子を通じて心のケアに取り組んできた団体がある。「つらい経験をした子どもたちが笑顔になる機会をつくりたい」。昨年発生した能登半島地震の被災地でも活動するなど、心に傷を負った子どもたちのサポートを続けている。

 一般社団法人「こころスマイルプロジェクト」が取り組む「駄菓子屋ワゴン」と呼ばれる活動は、子どもたちがおもちゃの500円玉硬貨を使って、好きなお菓子を購入する楽しみを経験する。子どもの心のケアにつなげるのが目的だ。

 支援物資が配布される仮設住宅や避難所生活の中で、買い物をするように自由に物を選べる楽しさを経験させてあげたいと、代表理事を務める志村知穂さん(58)が発案。震災半年後から続けられている。

 震災後の人口減少などで商店がなくなった地域では、店でのマナー習得や代金の暗算などを学ぶため、総合的な学習の授業の一環としても行われている。2月に行われた石巻市の雄勝小では、目を輝かせながらお菓子を選ぶ児童の姿があった。小学3年生の女子児童(9)は「計算が少し難しかったけど、(1回で)500円ぴったりで買えてうれしい」と笑顔を見せた。

 昨年は、地震と豪雨災害に見舞われた石川県輪島市や能登町などでも実施した。保護者からは「子どもたちに笑顔が戻った」「(友達と)おしゃべりしながらお菓子を選ぶ姿を見て涙が出た」といった声が上がったという。

 「一時的でも子どもたちが楽しく過ごし、保護者も温かい気持ちになってもらえた。やって良かった」と振り返る志村さん。今後も能登半島地震の被災地での活動を計画しているといい「私たちにできる心のケアを続けていきたい」と話した。

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