「ホーンテッドマンション」バーはどのようにして作られたのか–イマジニアに話を聞く

東京, 1月2日, /AJMEDIA/

 1960年代、Disneyの伝説的なイマジニアは、薄気味悪い骨だけの魚が海の生き物のように泳ぐ、幽霊の魚の水槽を作りたいと考えていた。そして2024年、Disneyはついにこのビジョンを実現するテクノロジーを手に入れた。

 Disneyのようなエンターテインメント企業は、消費者が「これはぜひ体験してみたい」「次の休みはここへ行ってみよう」と思うような没入感の高い体験を作り出す方法を絶えず模索している。そうした機会の1つが、Disneyの最新クルーズ船「Disney Treasure」だ。イマジニアたちによって作り出された「Haunted Mansion Parlor」は不気味な幽霊船という別世界へとゲストを連れて行くバーで、今では、Disneyの人気アトラクション「ホーンテッドマンション」の物語の一部となっている。

 Haunted Mansion Parlorは本格的な乗り物ではないものの、細部までこだわって作られている。ゲストが、紫にゆらめく「Ghoulish Delight」といったホーンテッドマンションにちなんだカクテルを楽しんだり、自分の周りで踊る幽霊を眺めたりしている間に、8つの章からなる物語が展開される。Disneyのリゾートパークにあるホーンテッドマンションの乗り物と同じく、マダム・レオタのタロット占いのシーンや、踊る亡霊たちでいっぱいの舞踏室のシーン、幽霊の楽団のファントム・ファイブによる墓地での演奏シーンなども再現されている。

 しかし、アトラクションとの違いは、ゲストが幽霊たちと間近で交流したり、隣に座ったりできることだ。360度から見られる幽霊もいるほか、なんと触れることもできる。

 同僚のBridget Carey記者は、Disney Treasureが11月にニューヨークに停泊していたとき、Haunted Mansion Parlorを体験することができた。Carey記者はHaunted Mansion Parlorについて、「壁のあらゆる部分に注意を払う必要がある。部屋全体が変化して、物語を語るからだ」と述べている。「しかも、ギミックを間近で観察することもできる。この点は、乗り物とはかなり異なる。特に素晴らしいのは、幽霊の魚が現れたり消えたりする巨大な水槽だ」

 それから数週間後、筆者はHaunted Mansion Parlor開発の経緯について、イマジニアのDaniel Joseph氏に話を聞くことができた。同氏は、「マジシャンは決してタネを明かさない」という信念を貫きながらも、Disneyの素晴らしいイリュージョンの数々を作り出すのに使われているテクノロジーや科学、工学について語ってくれた。

 Joseph氏は筆者に対して、「私のチームは基本的に、世界各地にあるDisneyのテーマパークでイリュージョンを実現するための新しい手法やテクノロジーを考え出したり、時には発明したりしている」と語った。「今回のバーは、『1960年代にはできなかったことを、全く新しいホーンテッドマンションで実現する方法を見つけ出すチャンスをあげよう』というような、われわれに『ぜひやりたい』と思わせる究極の呼びかけのようなものだった」

 Haunted Mansion Parlorの開発は5年におよんだ。ホーンテッドマンションのアトラクション制作に携わったイマジニアのRolly Crump氏が構想した幽霊の魚の水槽は、すでに大きな印象を残している。水槽の中では「幽霊」の魚が泳ぎ回り、おばけのような海の生き物たちが、水槽のガラスに鼻を押し当てて、興味津々でその様子をじっと見つめているゲストたちに立ち向かっている。

 この水槽を実現するには、科学と新しいテクノロジーの両方の知識が必要だった。

 「開発中は、いろいろな素材を試してみた。中に入っているのは本物の液体だが、屈折率や液体、水と相性が良いものをいくつか試し、光がどのように曲がって、液体の中を通り抜けるのかを確認した」(Joseph氏)

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