食品輸出、ニーズ把握カギ 5兆円目標へ販路開拓急ぐ

東京, 2月5日, /AJMEDIA/

 2021年の農林水産物・食品の輸出額が前年比25.6%増の1兆2385億円に上った。政府が06年に掲げた「年間1兆円」目標を初めて突破したが、この先は25年に2兆円、30年に5兆円と高いハードルが待ち構えている。達成には輸出先のニーズに合った生産・加工体制を整えるとともに、販路をどこまで拡大できるかがカギを握る。
 宮崎県都城市の食肉加工大手「ミヤチク」は、ブランド和牛「宮崎牛」などの出荷が米国を中心に年々増加。20年度の468トンから、21年度は4~12月の9カ月間で496トンに膨らんだ。これまでは高級レストラン向けが主体だったが、コロナ禍を契機とした「巣ごもり需要」を追い風に家庭向けも伸びた。
 政府は25年に牛肉を21年の3倍に当たる1600億円、ホタテは656億円、日本酒は600億円、リンゴは177億円にそれぞれ引き上げることを目指す。目標達成に向け、輸出先それぞれの「好み」に応じた商品の量産に取り組む全国1300カ所近くを「輸出産地」に選定。財政・技術面で支援する。
 輸出を増やすもう一つのカギは販路拡大だ。政府は生産者と輸出事業者らが連携した海外への売り込みを後押しすることに加え、東京電力福島第1原発事故後に各国・地域が導入した輸入規制を撤廃するよう働き掛けをさらに強める。規制国・地域は事故後の55から14に減ったものの、中国や韓国など主要市場が制限を続けている。金子原二郎農林水産相は「規制の撤廃を政府一体となって働き掛けていく」と意気込んでいる。

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