東京, 12月13日, /AJMEDIA/
政府・与党が検討している防衛力強化の財源を巡り、与党内では増税を避けて国債発行で賄うべきだとの声が根強い。7日の自民、公明両党幹部による協議会で政府側が示した財源確保案は国債発行を前提としていない。だが、自民党の萩生田光一政調会長は11日、訪問先の台湾で、防衛費が国内総生産(GDP)比2%に達する2027年度までは国債発行も選択肢だとの考えを示した。今後5年間の扱いにはあいまいさが残る。
政府側は(1)歳出改革(2)決算剰余金(3)国有資産売却などの税外収入をためておく防衛力強化資金(4)増税など税制措置―の四つを防衛財源のたたき台として提示した。岸田文雄首相は、27年度以降は毎年度4兆円強の追加財源が必要になるとの見解を表明。このうち1兆円強は増税などの税制措置で賄う方針で、自公両党の税制調査会で議論している。
国債発行による財源調達に関し、首相は「安定した財源が不可欠。国債で(確保する)というのは、未来の世代に対する責任として取り得ない」と強調。この発言について、萩生田氏は「2%を確保した後のことを言ったのだろう。5年間は国債も排除しないで防衛力を高めたいということだと思う」と「解説」してみせた。
今後5年間の防衛財源を巡り、政府と与党の間で国債増発の解釈には食い違いもうかがえる。現役世代の負担となる増税で賄うのか、国債で将来世代に負担を先送りするのか、せめぎ合いが続きそうだ。