金正恩氏、10月に南北通信を復旧 「敵対的」と米批判も

東京, 9月30日, /AJMEDIA/

【ソウル=恩地洋介】北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記は29日に開かれた最高人民会議(国会に相当)で施政演説し、韓国との直通の通信回線を10月初めに復旧させると述べた。バイデン米政権が求める「前提条件なしの対話」には「敵対的行為を隠す方便にすぎない」と応じない姿勢も示した。朝鮮中央通信が伝えた。

金正恩氏は7月にも、1年あまり断絶していた南北の通信回線を復旧させたが、8月の米韓合同軍事演習に反発し再度遮断していた。韓国に対して硬軟を交えた態度で臨み、要求を強める狙いとみられる。

演説では韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領が国連演説で提案した朝鮮戦争の終戦宣言に言及した。「北南間の不信と対決の火種をそのままにして終戦を宣言しても、敵対的な行為が続き予期せぬ衝突が起きかねない」と指摘、宣言の前に互いの尊重を保障し敵対政策を撤回しなければならないと主張した。

文政権に向けて「米国に追従し、外部の支持を求めることだけにきゅうきゅうとしている」と批判。米国との軍事連携の強化を非難し「冷却した関係を解消し和解と協力の道へ進むのか、引き続き分裂の苦痛を受けるのか深刻な選択の岐路に立たされている」などと迫った。

バイデン政権に関しては「我々に対する軍事的脅威と敵視政策は変わっていない」と強い不信感を示した。米国が提案する「前提条件なしの対話」には「国際社会を欺き、敵対的行為を隠すための方便にすぎない」と反発した。

29日に開かれた2日目の最高人民会議では、金正恩氏の妹で朝鮮労働党副部長の金与正(キム・ヨジョン)氏を、国家の重要政策を決定する国務委員会の委員とする人事を決定した。副委員長には金徳訓(キム・ドクフン)首相が就いた。

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