追加介入にらみ神経戦 円安、150円視野―外為市場

東京, 10月18日, /AJMEDIA/

 足元で急速な円安が進む中、週明け17日の東京外国為替市場でも円売りが加速し、円相場は約32年ぶりの安値となる1ドル=148円台後半で推移した。日米の金融政策の違いから金利差拡大が意識され、円安基調は一段と鮮明になっている。一方、政府・日銀による追加介入への警戒感も高まり、150円台を視野に神経戦が続いている。
 円安・ドル高進行の主因は、米国の急速な利上げだ。米連邦準備制度理事会(FRB)は通常の3倍の上げ幅となる利上げを3回連続で実施。それでもインフレ圧力が収まる兆しは見えず、利上げが長期化するとの観測が強まっている。
 バイデン米大統領は15日、「ドルの強さについては懸念していない」と語り、物価抑制につながるドル高を容認する考えを示した。一方、岸田文雄首相は17日の衆院予算委員会で、「投機絡みの急激な為替の変動には、必要であるなら対応を考えていかなければならない」とけん制。鈴木俊一財務相も追加介入を辞さない構えを強調した。
 ただ、日銀の黒田東彦総裁は同日の衆院予算委で、「金融緩和を継続することが適当だ」との考えを改めて示しており、円安・ドル高基調の転換は見通せない状況だ。市場関係者からは「心理的節目となる150円を目前に、さらなる円安を試す動きがくすぶっている。近く150円台を付ける可能性が高い」(国内銀行)との声が聞かれる。
 こうした中、市場では政府・日銀の追加介入に注目が集まる。日銀当座預金の増減予想から、13日に1兆円規模の円買い介入を実施した可能性があるとの見方が出ている。同日には、円急落の直後に1円20銭ほど円高方向に振れる場面があった。市場関係者からは「1兆円規模の介入であれば、3兆円弱で相場を5円ほど円高方向に戻した前回の介入に比べ、明らかに効果が薄れている」(FX会社)との指摘が出ている。

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