費用・手続き、国民理解見えず 政府、国葬検証アピールも

東京, 10月15日, /AJMEDIA/

 政府は14日、安倍晋三元首相の国葬経費について、当初想定を下回る約12億4000万円だったと発表した。近く検証作業に着手し、実施手続きのルール化も検討する。ただ、野党は17日からの衆参両院予算委員会で岸田文雄首相を厳しく追及する構えで、思惑通り国民の理解につなげられるかは見通せない。
 「国葬を執り行うために必要十分なものだった」。松野博一官房長官は記者会見で、経費についてこう強調。併せて、憲法学者ら有識者のヒアリングを通じて論点を整理する検証と、国会での手続きを中心とするルール化を急ぐ考えを示した。
 政権内には、内閣支持率が低迷する中、一連の取り組みをアピールし、世論の批判をかわす思惑がある。首相は13日夜のBSフジ番組で「多くの声を聞きながら丁寧に謙虚に向き合っていきたい」と強調した。
 政府は14日の衆院予算委理事会でも経費を報告。自民党の古川禎久与党筆頭理事は記者団に「支出を抑える現場の努力があったのだろう」と評価した。だが、国葬に対する世論の批判は経費の多寡だけが要因ではなく、参院幹部は「国民の理解を得られるかは分からない」と漏らした。
 野党は納得していない。立憲民主党の逢坂誠二野党筆頭理事は記者団に「経費に民間警備会社が含まれていないのはずさんだ」と反発。政府が当初想定を下回った理由について、外国要人の滞在日数が短かったためと説明していることを踏まえ、「外交的な意義が小さくなった」と酷評した。
 国民民主党の榛葉賀津也幹事長は会見で「(国葬決定の)入り口から説明が足りなかった」と批判。その上で「説明責任は首相にある」と訴えた。

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