東京, 11月05日, /AJMEDIA/
粘膜に守られているはずの目に花粉症の症状がすぐに出るのは、花粉の殻に反応して迅速にアレルギー物質を取り込む特殊なメカニズムが原因とみられることを順天堂大学のグループがマウスを使った実験でつきとめ、花粉症の新たな治療法の開発につながる成果として注目を集めています。
この研究は順天堂大学の安藤智暁准教授らのグループが国際的な学術誌で発表しました。
花粉症は、花粉の殻の中にあるアレルギーの原因物質が体の中に取り込まれることで起こりますが、粘膜に守られているはずの目の表面から体内に取り込まれるメカニズムは詳しく分かっていませんでした。
グループでは、花粉を殻と中の原因物質に分けた上で、マウスの目に殻と原因物質の両方を付着させ、反応を顕微鏡で詳しく観察しました。
その結果、目の表面にある「杯細胞」と呼ばれる細胞が花粉の殻に反応して大量の原因物質を素早く取り込み、免疫細胞に届けている様子が観察できたということです。
一方、原因物質だけを目に付着させても体内にはほぼ取り込まれませんでした。
グループでは、花粉に触れるとすぐに花粉症の症状が出るのは、こうした仕組みが働いているためだとみられるとしています。
安藤准教授は「この仕組みをさらに詳しく調べることで花粉症の新たな治療法の開発につながるはずだ」と話しています。