自民・萩生田氏、訪台で存在感 「後ろ盾」なくなり、問われる自力

東京, 12月13日, /AJMEDIA/

 自民党の萩生田光一政調会長が12日までの台湾訪問を終え、帰国した。生前、訪台に意欲を示していた安倍晋三元首相の「名代」として蔡英文総統との会談に臨むなど存在感を示した。会長職の空席が続く安倍派内では、後継に萩生田氏を期待する声も出ている。
 「萩生田氏は安倍氏と同じように台湾の大切な友人だ」。10日に会談した蔡総統からこう歓迎された。
 これに対し、萩生田氏は「安倍氏は李登輝元総統の墓参を予定していた。代わりに行きたい」との意向を示し、11日に墓を訪ね花を手向けた。
 同日の講演では、安倍氏と台湾の関わりを紹介。安倍氏が掲げた「台湾有事は日本有事」との言葉に言及し、日本の防衛力強化に決意を示した。
 防衛費増額の財源についても、国債償還ルール見直しで確保することを提案した。安倍氏は増額分を国債発行で賄うよう主張していた。
 萩生田氏は安倍政権で官房副長官や党幹事長代行などを務めた安倍氏側近。衆院当選6回の中堅ながら「人の嫌がる仕事を引き受け、けんかもできる政治家」との評があり、安倍氏から重宝がられた。
 ただ、その安倍氏亡き後、「後ろ盾がいなくなり、自力ではい上がるしかない」(ベテラン)との指摘もある。安倍派後継会長について、萩生田氏自身は先月、評論家との対談で「私には合わない」と語るなど、野心を見せることはない。
 派内には「萩生田氏に収れんしていく」(中堅)との声もある一方、世耕弘成参院幹事長や西村康稔経済産業相らも意欲を示しているとされ、「衆目の一致する会長候補はいない」との見方が一般的だ。

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