福島・いわき、「思い出の品」最後の返却会 今月で事業終了―東日本大震災14年

東京, 3月8日, /AJMEDIA/

 東日本大震災での震災拾得物の返却事業を続けてきた福島県いわき市は、保管品の劣化や低調な返却実績を理由に3月で事業を終了する。1~2月に行った最後の展示会には約100人が足を運び、約40点が返却された。残された保管品は一部を除き、震災発生日に当たる11日に市内の寺院で犠牲者を供養した上で処分される予定。

 同市が保管する震災拾得物は、ランドセルや携帯電話などの物品約2400点、卒業アルバムなどを含めた写真約2600点に上る。年1回、展示会を開き、持ち主に返却してきた。

 ただ物品の保管場所の確保が難しくなっていることなどから3月での事業終了を決めた。担当者は、「返却事業を続ける中で、ニーズの減少を実感していた」と話す。

 「いわき震災伝承みらい館」で1月10日~2月末に開かれた最後の展示会には、延べ105人が足を運んだ。展示された約300点のうち42点が持ち主に返された。担当者は「震災から14年がたち、思い出に区切りをつけるためといった前向きな気持ちで来場する方が多かった印象だ」と振り返った。

 同館では震災拾得物をデータ化しており、事業終了後も館内のデータベースで捜すことが可能で、写真やアルバムなどの画像データについても、引き続き持ち主に提供していくという。

Follow us on social

Facebook Twitter Youtube

Related Posts