東京, 04月23日 /AJMEDIA/
株式会社の登記情報で社長の住所を誰でも知ることができるルールが見直され、10月から一部を非公開にできるようになる。起業を志す人が抱く「衆人環視の状況」への不安を取り除き、経済成長を引っ張る新興企業の登場を後押しすることが狙いだ。ただ、秘匿性が高まることで消費者被害の救済が難しくなるとの懸念もあり、専門家は運用状況の注視を求める。
法務省は今月、商業登記規則の改正を発表。法務局で取得可能な登記事項証明書や、インターネットの「登記情報提供サービス」で公開されている株式会社代表の住所を、10月1日からは希望すれば市区町村までの記載で済むようにする。
交流サイト(SNS)の普及で、情報を発信する起業家個人への注目も高まる。「ネットに住所がさらされる」「知らない人が自宅に来る」などのトラブルが絶えないとして経済界が住所公開の見直しを要望。新興企業を「経済成長のエンジン」と位置付け、将来的に10万社創出を目指す政府は、こうした懸念をくみ取り非公開を決めた。