物価高、長期化へ 食品・エネルギー主導―企業のコスト転嫁継続

東京, 1月21日, /AJMEDIA/

 物価高が長期化する見通しが強まっている。輸入原材料価格の高止まりを背景に、企業による製品への価格転嫁が続き、食料品やエネルギーなどの値上げが見込まれる。政府は物価対策で価格抑制を図るが、物価上昇を補うだけの賃上げが実現しなければ、家計は一段と厳しくなりそうだ。
 総務省が20日発表した2022年12月の全国消費者物価指数(20年=100)の伸び率は、価格変動の大きい生鮮食品を除く総合指数が前年同月比4.0%と第2次石油危機の影響が残る1981年12月以来、41年ぶりの高水準となった。22年平均も前年比2.3%と伸びた。
 23年も物価は高止まりしそうだ。輸入原材料価格の上昇分を、製品やサービスに転嫁する動きが長引くと想定されている。日銀の22年12月の全国企業短期経済観測調査(短観)では、仕入れ価格が「上昇」と答えた企業の割合から「下落」を引いた価格判断DIが、大企業製造業で66と80年5月以来の高い水準を記録した。
 年前半は政府によるガソリンや電気・都市ガス代の負担緩和策を背景に、物価上昇率は鈍化する公算が大きい。ただ、東北電力などが、4月以降の家庭向け料金の大幅引き上げを経済産業省に申請。年後半以降、政府の負担緩和策が段階的に終了すれば、押し上げ要因になる。
 SMBC日興証券の宮前耕也シニアエコノミストは「(足元では)輸入物価の上昇率が大きく、価格転嫁は一気に進まないため、物価高は長引くだろう」と指摘。23年の物価動向については「夏から秋ごろまでは2%台を維持する」との見方を示している。

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