東京, 4月8日, /AJMEDIA/
沖縄県の宮古島周辺で10人が搭乗した陸上自衛隊のUH60JAヘリコプターが行方不明となった事故で、レーダーから消失する2分前に操縦士が空港管制と無線で交信し、正常に会話していたことが7日、分かった。関係者によると、変わった様子はなかったといい、その直後に異変が発生して海面に墜落した可能性が高い。陸自が詳しい状況の確認を進めている。
熊本県に拠点を置く第8師団の坂本雄一陸将(55)ら搭乗者の行方は依然として分かっておらず、自衛隊と海上保安庁は24時間態勢で捜索を継続。海上自衛隊の掃海艇も現場に到着し、ソナーを使った海中の捜索を開始した。
不明ヘリは6日午後3時46分に航空自衛隊の宮古島分屯基地を離陸。島の地形を上空から視察するため海岸線に沿って北上し、その後進路を南西に変え、離陸10分後の同56分に伊良部島北方の洋上でレーダーから機影が消えた。
複数の関係者によると、ヘリはレーダーから消える2分前の午後3時54分に下地島空港の管制塔と、進路や現在地の定期的な報告のため無線で交信した。離陸後にはこの他にも同空港や宮古空港と何度かやりとりをしたが、いずれも変わった様子はなかったという。交信は54分を最後に途絶えた。
防衛省は搭乗していた10人の所属について、坂本陸将ら第8師団司令部が5人、操縦士ら高遊原分屯地の第8飛行隊が4人、あと1人が宮古警備隊所属で案内役だったと明らかにした。
海上保安庁の巡視船は7日、前日に発見したものと同じ種類とみられる折り畳まれた救命ボート1艇や、扉とみられる部品などを現場海域で回収した。